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相続税が現金で払えない——「物納」で不動産を納める制度とその厳しい条件

相続税は、原則として現金で一括納付する必要があります。しかし、相続財産の大半が不動産で、手元の現金が乏しい場合、「払いたくても払えない」という事態が起こり得ます。この記事では、そんなときの最終手段である「物納」制度について解説します。

まずは「延納」、それでも難しければ「物納」
相続税の納付が現金で難しい場合、いきなり物納を検討するわけではありません。まず選択肢に上がるのは「延納」——相続税を分割で払っていく制度です。延納できる期間は、相続財産に占める不動産の割合に応じて5年から20年とされています。
この延納でもなお納付が難しい場合に、最後の手段として「物納」——現金の代わりに、相続した財産そのもので納税する制度が使えます。物納は相続税法にもとづく正式な制度ですが、あくまで延納の後に検討するものだ、という順序を押さえておいてください。
物納できる財産には、優先順位があります
物納に充てられる財産は何でもよいわけではなく、法律で優先順位が決められています。第1順位が不動産・上場株式・国債など、第2順位が非上場株式など、第3順位が動産です。相続財産の中に不動産があれば、優先的に物納の対象になりやすいということです。
「管理処分不適格財産」は、却下されます
ここが、この制度でいちばん見落とされやすいポイントです。**物納は、どんな不動産でも認められるわけではありません。**境界が確定していない土地、共有持分の不動産、係争中の物件などは「管理処分不適格財産」とされ、物納が却下されます。
これは、物納を受け取った国が、その後その土地を管理・処分できなければ意味がないためです。特に、古い相続不動産では測量図がなく境界があいまいなケースが多く、いざ物納しようとした段階で却下される、という展開が実際に起こり得ます。
境界が不明確な土地の売却・整理については、こちらもあわせてご覧ください。
▶ 石岡で相続した土地、境界が不明・越境ありでも売れる?
収納価額は「時価」ではなく「相続税評価額」
もう一つの注意点は、物納した不動産の評価額です。物納の収納価額は、原則として相続税の課税価格の基になった評価額(路線価等)で計算されます。これは実際の市場価格(時価)より低くなることが多く、結果として、不動産を時価で売って現金化するより、物納したほうが実質的に不利になるケースがあります。
申請は、相続税の納期限までに
物納の申請書は、相続税の納期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月以内)までに提出する必要があります。延納の検討、必要書類の準備なども含めると、時間の余裕はあまりありません。相続財産に不動産が多く、納税資金に不安がある場合は、早い段階から専門家に相談しておくことが大切です。
弊社では、このように対応しています
クロスビズ不動産は、茨城県全域で、相続した不動産のご相談をお受けしています。物納の要件を満たせない、あるいは物納より現金化のほうが有利だと判断した場合は、不動産を売却・買取して納税資金に充てるという選択肢もあります。境界未確定・共有持分といった、物納では扱いにくい物件でも、現況のまま買取のご相談が可能です。
税額の計算や物納・延納の要件判定は、提携の税理士と連携してご案内します。

よくあるご質問
Q. 物納はいつでも選べますか?
いいえ。まず延納を検討し、それでも金銭での納付が難しい場合に限られます。申請は相続税の納期限までに行う必要があります。
Q. 境界が不明確な土地でも、物納できますか?
原則として却下されます。境界確定や測量を済ませてから申請するか、他の財産での物納・売却による現金化を検討することになります。
Q. 物納より、売却して現金で納めたほうがいい場合もありますか?
あります。物納の収納価額は相続税評価額が基準で、時価より低くなることが多いため、市場で売却したほうが手取りが多くなるケースもあります。
まとめ
相続税を現金で払えない場合、まず延納、それでも難しければ物納という順序で検討します。物納は不動産が優先されますが、境界不明や共有持分といった「管理処分不適格財産」は却下されること、収納価額が時価より低くなりやすいことには注意が必要です。早めに専門家へ相談し、物納・延納・売却のどれが自分に合っているかを見極めましょう。
相続税の納税資金にお悩みなら、お気軽にご相談ください。
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